2026 新春号 Vol.134
税務・法律・年金相談
税務調査に備えるために
1.農業所得のチェックポイント
「12月に出荷した分が翌年1月に振り込まれていたんです。まさかそれがその年の収入になるなんて…」
これはよくあるケースです。みのーれやみどりっ子などに出荷した代金は、たとえ翌年入金でも、その年の収入に入れる必要があります。経費についても、燃料代や電気代など「農業と生活の両方で使うもの」は割合を示せるようにしておくと安心です。ハウス修繕や農機具購入も、「修繕費か資産か」で扱いが変わるので領収書を整理しておきましょう。
2.不動産所得の注意点
「息子に安く貸していたアパート、経費が全部認められないなんて知らなかった…」
親族に極端に安い家賃で貸していると、経費が一部しか認められない場合があります。
また、退去時に敷金の一部を返さなかった分や、敷地内の電柱料などを収入に入れ忘れていた方もいらっしゃいます。ちょっとした見落としが、調査のときに指摘されてしまうのです。
建物共済の転換契約については計算が複雑なので、必ずJAに確認するのが安心です。
3.相続税の大切な視点
「おばあちゃんが亡くなる直前に、生活費にと口座からまとまったお金を引き出していたんです。あれも相続財産に入るなんて…」
相続税で一番多いのは、預金の引き出しに関するトラブルです。税務署は金融機関に照会をかけますので、引き出したお金は“手元現金”として相続財産に計上する必要があります。
また、まとまった出金があると「何に使ったのか?」と確認されます。通帳に簡単なメモを残しておくだけで、説明がスムーズになります。
4.贈与税の落とし穴
「子どもの名義で口座を作って毎月入金していたのに、実際は私が通帳を持って管理していました。それが“贈与”と認められなかったんです…」
これは典型的な「名義預金」です。親が管理している限り、贈与とみなされず、相続財産に含まれてしまいます。贈与をするときは、原則的に契約書を作り、振込で記録を残し、通帳も子ども自身に管理させることが大切です。
まとめ
税務調査は特別な出来事のように感じますが、実は日常の中にヒントがあります。
「生活と事業をはっきり分ける」こと、そして「書類や記録を整える」こと。この2つを普段から意識しておけば、いざ調査となっても慌てずに済みます。
日々の小さな心がけが、家族や経営を守る大きな安心につながります。