2023 新春号 Vol.122
営農豆知識
ジャガイモ 植付けまでの種イモの保管について
種イモの準備
100㎡(約30坪)当たり18~20キログラム程度の種イモを用意しておきます。
保管方法
注文した種イモが早く到着したり、早めに購入した場合は、次の点に注意して保管ください。
- ①種イモが段ボール箱や紙袋に入っていたら、できるだけ早く開封して新鮮な空気をあててください。
- ②腐りや病気のイモがあれば、健全なイモにも伝染するので取り除きます。
- ③段ボール箱やコンテナなどに入れて、凍らない程度で乾燥した涼しい場所で保管します。
- ④保管温度は2~5℃くらいがよく、0℃以下にしたり、高温にさらすことや通気の悪いビニール等で覆うことは避けてください。
- ⑤貯蔵中の種イモは、時々状態を確認し、腐りイモなどを取り除いてください。
ジャガイモの萌芽について
ジャガイモは、一定の休眠期間が終わると、イモの表面にあるくぼみから芽と根がでてきます。このくぼみは、1個のイモには10個程度あるとされています。
萌芽適温は20℃前後ですが、最低5℃~最高25℃まで芽は伸長します。また一方で、光は萌芽を抑制する作用があります。
- ①写真1:頂部(イモの上部)の芽が優勢で、太く強い芽がでてきます。基部(イモの下部)はイモが茎とつながっていた部分です。
- ②写真2:芽の数も頂部に多く、ひとつの芽からさらに数本の芽がでます。
- ③写真3:暗い場所で保管したイモ。白い芽と根が多数でています。
- ④写真4:室内の窓際に広げて、1か月ほど芽出しをした種イモ。太くて短い芽がでています。
芽が伸びてしまった種イモの扱い
そろそろ植付けの時期になって、保管場所から種イモを取り出した時に、すでに白い芽が伸びていることがあります。ある程度の温度と湿度があって、暗い場所に置いておくと、もやしのような白くて長い芽が伸びてしまいます。その場合は、植付けまで次のようにしてください。
日光にあてる場合は、5℃以下の低温や30℃以上の高温にならないよう注意してください。
①短い芽が伸びている場合
白くて短い芽が数本出ている場合は、芽はそのままにして、種イモを日光にあて、芽の伸びるのを抑えます。
②長い芽が伸びている場合
白くて長い芽が出ている場合は、長い芽は取り除いて、種イモを日光にあて、芽の伸びるのを抑えます。取ってしまってもその場所からまた新しい芽が伸びてきます。ただし、根こそぎ取ってしまうと、植えてからの発芽が遅れる場合があります。