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2022 春号 Vol.119

営農豆知識

野菜畑の雑草の話

暖かくなり、畑の作業も本格化してきましたが、これから晩秋までは雑草に悩まされる時期でもあります。温暖多湿な日本は、雑草の発生が多いとされ、調査によると、畑地雑草が約300種、水田雑草が約200種だそうです。これがいつも全部畑に生えているわけではなく、時期にもよりますが、自分の畑で主要なものはせいぜい10~20種類くらいだと思います。今回は、雑草についての基本的なことをいくつかご紹介します。

雑草の種

夏の雑草は、発芽してから種ができるまで20~40日くらいと早く、1株当たり少ないもので1000粒、多いものは40~80万粒も種をつけるといわれています。少し目を離すと、あっという間に草だらけになるわけです。

ナガミヒナゲシの花(5月)
一つの花から大量の種ができる

種の寿命

発生する雑草の7~8割は前年の種から、残りがその前年の種、3年以上はほとんどないとされていますが、別の調査では5年以上たっても発芽するものもあるようです。

栽培時期と雑草発生

春夏作は雑草の発生が多く、秋冬作は比較的少ないです。

雑草の害

雑草が生えると、①野菜に必要な養分や水分を奪われる、②背丈の伸びた雑草で日当たりや風通しが悪くなる、③地温が低下し、湿度が高くなる、④病害虫が発生しやすくなる、⑤耕耘、追肥、収穫作業がやりにくくなる、⑥除草の労力増、収穫時や調整作業に労力を要する、などで、生育、収量、品質に直接影響します。

雑草害の大きいもの

直播したもの、春夏作のもの、栽培期間の長いもの、生育速度の遅いもの、草丈の低いもの、などは、特に雑草の被害を受けやすくなります。

雑草に覆われたサツマイモ畑
収量への影響が大きい

主な雑草の種類

1年生イネ科雑草

スズメノカタビラ、メヒシバ、オヒシバ

1年生広葉雑草

カヤツリグサ、ハキダメギク、ホトケノザ、スベリヒユ、ハコベ、アカザ、
ゴウシュウアリタソウ、コニシキソウ、ナズナ

多年生イネ科雑草

ススキ、チガヤ

多年生広葉雑草

オオバコ、ヒメジョオン、スギナ、ヨモギ、ギシギシ、カタバミ、ワルナスビ、コヒルガオ

防除法

肝心な防除法ですが、①種の侵入を防ぐ、②マルチや防草シートなどで発生を防ぐ、③発生したら種をつけない小さいうちから取り除く、が基本となります。
具体的な方法は、①中耕や土寄せ、クワや手作業でとる、②耕耘機をかけたり、草刈り機を利用して刈り取る、③熱を利用する(草焼きバーナー、太陽熱)、④敷き草、マルチ栽培、防草シートで防ぐ、⑤除草剤を散布するなどです。除草剤利用が手っ取り早いですが、他の防除手段も組み合わせて、実施することが大切です。

防草シートを張ったトマトほ場