JA東京みどり 金融機関コード:5072

HOME > 広報誌 みどり > 2022 新春号 Vol.118

2022 新春号 Vol.118

営農豆知識

鶏ふんの上手な使い方

堆肥効果より肥料として利用

鶏ふんは、チッソ、リン酸、カリ、石灰などの肥料成分を豊富に含んでおり、化学肥料並みの効果があります。反面、牛ふん堆肥のように、土を軟らかくしたり、通気性をよくする土壌改良効果はあまり期待できません。土づくりのための堆肥効果より、化学肥料を減らすための有機質肥料として利用できます。環境にやさしい農業を進めるためにもぜひ活用したいものです。

肥料外装 肥料内容物

リン酸と石灰を多く含む

表は鶏ふんと牛ふんなどを比較した一般的な成分の目安です。牛ふんと比べると、リン酸と石灰を多く含むのが鶏ふんの特徴です。これらの不足している土壌には適しています。

資材名 成分(%) 1m²当り
施用量の目安
チッソ リン酸 カリ 石灰
鶏ふん堆肥 3~4 6~9 3~5 6~15 300~500g
乾燥鶏ふん 3 5~6 3 9~14 200~300g
牛ふん堆肥 2~3 1~3 1~3 2~4 2000~3000g
牛ふん堆肥 3~6 4~6 1~3 4~5 1000~2000g

発酵鶏ふん(鶏ふん堆肥)と乾燥鶏ふん

鶏ふんには、すでに発酵させてある発酵鶏ふん(鶏ふん堆肥)と未発酵の乾燥鶏ふんがあります。それぞれ性質が異なりますので、使用にあたっては注意が必要です。

  1. 発酵鶏ふん(鶏ふん堆肥)の使い方
  2. すでに発酵させてありますが、二次発酵して熱やガスを発生することがあります。発芽や根の生育に影響がでることもありますので、散布したら土とよく混ぜて、1~2週間おいてから、播種や植付けをしましょう。1a(100m²)当たりの施用量は30~50㎏が目安です。
    速効性で追肥にも使えますが、ガス害などの安全を見て、元肥での施用をお勧めします。

  3. 乾燥鶏ふんの使い方
  4. 天日や機械で乾燥させた未発酵の鶏ふんです。
    水分を吸うと悪臭がでるので、散布したら土とよく混ぜるとともに、発酵により熱やガスを発生するので、3~4週間程度おいてから作付けしましょう。特にホウレンソウなどのタネをまくものは注意が必要です。
    1a(100m²)当たりの施用量は20~30㎏が目安です。発酵鶏ふんと同様、元肥での施用が安全です。

カキの落葉病対策 ~冬期の落葉処理が大切~

ここ数年、秋になるとカキが熟す前に葉が黒くなって落ちてしまった木を多く見かけます。これは落葉病といって、葉に茶色の斑点ができ、葉が落ちてしまう病気です。地面に落ちた病気の葉から、翌年5~7月に病原菌が飛散して感染が広がります。潜伏期間が長く、発病するのは9月に入ってからです。5~7月に雨が多い年や衰弱した木、肥料不足、着果過多などの場合に発生が多くなります。

■防除方法

被害落葉が発生源になるので、3月中旬までに落ち葉を集めて土中に埋めるなどします。薬剤防除は6月上旬から7月上旬に、ベンレート水和剤(2000~3000倍)やトップジンM水和剤(1000~1500倍)などを葉裏に十分かかるように散布します。

農薬名 倍率 使用時期 使用回数 系統区分
アフェットフロアブル 2000倍 1日前 3回 7
ベンレート水和剤 2000~3000倍 1日前 6回 1
ファンタジスタ顆粒水和剤 3000~4000倍 7日前 3回 11
ラビライト水和剤 500~800倍 45日前 2回 1・M3
落葉の様子
落葉の様子
葉に茶色の斑点が発生
葉に茶色の斑点が発生