2021 新春号 Vol.114
営農豆知識
春の茶園管理のポイント
良質な一番茶を収穫するために、春先の茶園管理は大変重要です。一番茶芽が萌芽して展葉するのに合わせて、適期作業を心がけましょう。また、生葉の出荷先の茶工場などとよく相談することが大切です。
1.春の整枝
❶目的:一番茶の摘採時に、古葉や古枝の混入を防ぎ、揃った新芽の生育を促すのが目的。摘採面の凸凹をなくして滑らかに整えるために浅い整枝を行います。
❷時期:春の彼岸から3月末が基準で、4月に入ってからの整枝は、一般的には収量の低下を招きやすいです。
❸整枝の深さ:前年の夏の整枝位置より2~3cm高い位置で整枝します。
2.防霜ファンの点検・運転
❶柱が傾いていないか、断線していないか、設定温度で作動するかなどを確認します。
❷サーモスタットは、茶園で気温が最も低くなる場所の茶樹の頂部に接触させて置きます。
❸設定温度は2~3℃とし、運転期間は3月下旬から摘採するまで。
3.春の施肥
❶春肥は新芽の品質を直接左右する重要な働きがあります。
❷施肥例
春肥 3月中旬 お茶専用配合(12-6-6) 100㎏/10a
芽出し肥 4月上旬 硫安(21-0-0) 50㎏/10a春肥>
4.ハダニの防除
❶3月下旬の春整枝が終わった直後に、ハダニの防除を行います。
❷薬剤は株内の葉裏にていねいに散布しましょう。
❸茶芽が動き出してからでは、薬害の心配があるので注意しましょう。
5.摘採時期
❶若芽づみ(一心三葉摘み)を心掛けましょう。
❷木茎、古葉、こま切れ葉、異物などが混入していないもの。
❸ダニやアブラムシなどの病害虫被害葉のないもの。
❹刈り取った生葉を袋に長時間入れたまま放置したり日なたに置かず、なるべく早く工場へ持ち込みます。
ジャガイモのそうか病を防ぎましょう
そうか病はいもの表面にあばたができる病気で、放線菌という細菌により、土壌、被害残渣、種いもによって伝染します。対策として、連作を避けるとともに種いも消毒や土壌消毒を行います。 また、米ぬかを1m²当たり300g、植付前に全面土壌混和すると、被害が軽くなるという試験結果もあります。
いもの表面に大きなあばたができる
種いも消毒 | アタッキン水和剤 | 40~60倍液に5~10秒間、種いも(切断前)を浸漬する。 |
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土壌消毒 | ネビジン粉剤 | 10a当たり60kgを植付時に全面土壌混和する。 |
フロンサイド粉剤 | 10a当たり30~40kgを植付前に全面土壌混和する。 |