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2020 秋号 Vol.113

営農レポート

ココがポイント! 農作業機付きトラクターの公道走行

従来、農作業機を装着・けん引した状態のトラクターは公道を走行できなかったので、農作業機だけ別途運搬して畑でトラクターに接続するという手間が必要でした。しかし昨年度、一定の条件を満たした場合には農作業機を装着した状態で公道を走行できるよう、 規制が緩和されました。今回は、安全に公道を走行するために必要なポイントを解説します。
※対象は、農作業機なしでも公道を走行できる = 道路運送車両の保安基準に適合した農耕トラクター

直装式作業機のチェックポイントはココ!

直装式農作業機とはロータリー、ハロー、直装式ブームスプレーヤ、フロントローダー等、トラクターに直接装着し、持ち上げて走行するタイプの農作業機です。

ポイントの1
灯火器類が見えることを確認しましょう!

農作業機を装着し(可能なものは折りたたみ格納して)、灯火器類が見えることを確認しましょう。もし確認できない場合は、所定の位置に別途設置する必要があります。
※確認できる場合でも、灯火器類と農作業機の端が40cmを超えて離れている場合は、反射器の増設等が必要です

トラクター
図1 農作業機を装着して灯火器類を確認 ~少し離れた位置から見てみましょう~

ポイントの2
車両の幅を確認しましょう!

① 農作業機を装着した状態で、幅が1.7mを超えている場合

  • 大型特殊自動車の運転免許証が必要(ポイントの4参照)
  • 農作業機の両端に反射器(前面は白色、後面は赤色)を設置
  • 機体の左右両側に後写鏡(バックミラー)を設置
  • 保安上の制限を受けた自動車の標識(図2)を後面に表示

② 農作業機を装着した状態で、幅が2.5mを超えている場合

  • 農作業機の左右両端の前後の外側表示板(図3)の他、所定の表示が必要
  • 道路管理者(国道:地方整備局、都道:都、市道:市)から特殊車両通行許可を取得
    ※農道を通行する場合は、許可不要

車両の幅を確認しましょう!

ポイントの3
車両の安定性を確認しましょう!

トラクターは、ある程度斜めになっても安全に走行できるよう「安定性の保安基準」を満たしています。しかし農作業機を装着することで基準を満たせなくなる場合があります。
(一社)日本農業機械工業会では、トラクターと農作業機の組み合わせごとに安定性の変化を調べ、結果をホームページで公表しています。安定性が確認されていない場合は、時速15km以下で走行することと、所定の表示が必要となります。

ポイントの4
走行に必要な免許を確認しましょう!

トラクターを公道上で運転する場合に必要な免許は、車両の大きさによって決まります。普段、小型特殊免許や普通免許で運転しているトラクターも、農作業機を装着すると一回り大きくなることに注意しましょう。
トラクターに農作業機を装着した状態で長さ4.7m、幅1.7m、高さ2.0m(安全キャブや安全フレームの高さ2.8m)より大きくなったり、運行速度が時速15kmを超えたりする場合には、大型特殊免許(「農耕用に限る」を含む)が必要です。

けん引式農作業機について

けん引式農作業機(ロールベーラー、マニュアスプレッダ等)についても、トラクターに装着した状態での公道走行が可能になりました。法律上、けん引式農作業機はトラクターとは別の自動車として扱われるので、 農耕作業用トレーラとしての保安基準を満たすことが必要です。また、連結装置の他にチェーン等でもトラクターと農作業機をつなぐことや、けん引免許(「農耕用に限る」を含む)が必要な場合があること等、直装式とは異なった基準があるので、ご確認ください。

農作業機付きトラクターについて規制が緩和され、機械の移動が楽になりました。しかしチェックポイントを見落として法令違反となったり、誤った取り扱いで事故を起こしたりしないように注意しましょう。
詳しくは、下記ホームページや農機販売店等でご確認ください。

〈参考〉作業機付きトラクターの公道走行についてのホームページ

農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/kodosoko.html

(一社)日本農業機械工業会
http://www.jfmma.or.jp/koudo.html

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