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2019 夏号 Vol.108

営農レポート

よい農場を目指して③ ~ 環境を整えよう ~

よい農場を目指して、カイゼンの一歩をすすめませんか。よい農場を目指す取り組みはむずかしいことではありません。今回は、働きやすい安全な農場とするためのカイゼンについてご紹介します。

○資材倉庫や作業場を整理しましょう

なんとなくもったいなくて捨てられないモノが倉庫に詰め込まれていませんか?不要なものを思い切って処分し、普段使う道具や資材の収納方法を工夫すると、驚くほど能率が上がります。
写真1は、農機具の優れた収納の例です。農機具ひとつひとつに番号を付け、収納場所を明確に決めています。

  • 道具等を探す手間が省け、作業を効率よく行えます。
  • 何がどこにあるか誰でもわかるので、ボランティアやアルバイトも仕事をしやすくなります。
  • 作業終了後に道具が定位置になければ、その道具を畑に忘れてきたことにすぐに気付くことができ、紛失しにくくなります。

○事故が起こりにくい農場にしましょう

農場の危険箇所をきちんと把握していますか?地面の凹みや敷居につまずいたり、作業着の袖がハウスの金具に引っかかったり、出っ張った棚に頭をぶつけたり…ちょっとした小さな危険が、大きな事故につながることもあります。また小さな危険を気にしていると、作業のスピードも落ちてしまいます。

  • まずは危険箇所を把握しましょう。農場主さんだけでなく、農場に不慣れなボランティアやアルバイトの視点も大切です。
  • 解消可能な危険は、すぐに解消しましょう。通路には物をおかず、スムーズに通行できるようにしましょう。地面の凹みを埋める、ハウスの金具にカバーを付ける、棚の角にクッションを貼る…等、工夫してみましょう(写真2)。
  • すぐに解消できない危険箇所は、一目でわかるよう表示を付け、事故を未然に回避しましょう。写真3は、実際に農場で使われている表示の例です。

写真3 農場に提示された危険個所の表示の例

○農薬を適切に保管しましょう

農薬の保管については、農薬取締法、毒物及び劇物取締法、消防法等の法律に定めがあります。それぞれの法律を守り、事故が起こらないよう保管しましょう。

  • 必ず、涼しくて乾燥した場所に、鍵をかけて保管しましょう。
  • 写真4のように適切な表示を付けましょう。特に毒物や劇物に当たる農薬の保管場所は、必ず法律に従って表示しましょう。
  • 容器が転倒したり袋が破れたりして、農薬がこぼれ出ないよう、箱を上手に使いましょう。写真5は、プラスチックの箱を使った例です。万が一を考えて、丈夫で十分に深さがある箱を使うこともポイントです。
  • 農薬がこぼれてしまったときに被害を最小限にできるよう、液体の農薬(乳剤・フロアブル剤等)は、個体の農薬(水和剤・粒剤等)より下に置きましょう。

倉庫や作業場の整理も、危険箇所の確認・解消も、農薬保管の見直しも、最初は少し面倒に感じるかもしれません。しかし一度カイゼンすればその後の営農に必ずプラスになりますので、ぜひ取り組んでみてください。