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2016 秋号 Vol.97

営農レポート

農作業事故防止に取り組もう!

農作業における事故の発生は、他産業と比べなかなか減少していません。平成26年度の農作業死亡事故は350件もありました。農作業死亡作業によるもの232件(66%)、年齢別では65歳以上の方の事故が295件(84%)となっています。
農林水産省では、春と秋に全国農作業安全確認運動に取り組んでいます。

1 普段からの備えを

農作業事故はちょっとした不注意やはずみで発生します。万が一の際に、すぐ助けが呼べるよう携帯電話は常に身に付けておくことが望まれます。また、家族にはどこの畑で作業をしているかを必ず知らせておくことも大切です。

2 身の回りの「ヒヤリ」・「ハット」は注意! 知って防ごう農作業事故

過去に起こった事故の状況から危険なポイントがわかります。特に重大事故(死亡・重傷)が起こりやすい要因は以下の通りです。
こんな時に必ず農作業事故が発生しています!

  • トラクター等の乗用機械: 転倒、転落での下敷き、投げ出され
  • 管理機:バックでの作業や格納中、挟まれ、跳ね上がり、巻き込まれ
  • 草刈り機:石やゴミ、刃のかけらが跳ね飛ぶ、足場が悪い場所での転倒
  • はしご:脚立:転倒、転落、鎖、金具のかけ忘れで脚が開いて落下
  • 熱中症:圧倒的にハウス内、草取り、片付け、収穫中

農作業安全のポイント

【農業機械全般】
【ポイント1】取扱い説明書を読んでから使用
機能を充分使いこなすためにも、機械を使用する前には、必ず取扱説明書を読みましょう。農業機械は頻繁に使わないことが多いので使用方法を忘れがちです。また、使用しなくても整備点検も定期的に行います。
【ポイント2】服装を正して巻き込まれ事故を防ぐ
農業機械に手や足等を巻き込まれる事故が多発しています。それらの多くは衣服が巻き込まれて発生しています。巻き込まれないように適切な服装で作業しましょう。
【ポイント3】危険を予測しよう
作業前に作業現場をイメージし、危険要因を予測することにより、実際に似たような場面に遭遇しても危険を回避することができます。
【ポイント4】こんな時には農作業機械を操作しない
飲酒や寝不足、薬を服用して作業に支障がある時は機械を操作しない。安全で安心して作業するために日頃から体調を整えましょう。
【ポイント5】異常を感じたら止める
機械の運転中にゴトゴト、キーキーと音がしたり、ワラの巻きつき等が気になり「ちょっとだけ」とうっかり手を出して事故につながることがあります。エンジンを止めてから対処します。
【ポイント6】防護カバーをはずさない
草刈機や耕耘機等は防護カバーがないと危険なベルトや刃等がむき出しになり、飛散した石等でけがをすることがあります。必ず保護カバーを取り付けて作業しましよう。
【ポイント7】路肩に気をつけよう
路肩がわかるように草を刈り、目印を立てて、機械の転倒、転落を防ぎましよう。機械を回転させるときには特に注意してください。
【ポイント8】トラクター等からの転落を防ごう
靴やステップの泥を取り除く、飛び乗り、飛び降りをしない、乗車位置以外の場所に人を載せない等、ちょっとした気のゆるみが事故につながります。
【ポイント9】反射シールで夕方の交通事故防止
秋から冬にかけて夕方暗くなるのが早くなり、9、10月は天候も不安定で農作業に追われがちです。トラクターの後方、側面にも反射シールを張ることで路上走行中の自動車との事故防止になります。
【ポイント10】トラックへの積み込みを安全に
トラックやトレーラー(運搬用車両)へ機械を積み下ろしする作業は大変危険です。アルミ板は長さ、幅、強度が十分でスリップしないものを使用する。平坦な場所で運搬車両の駐車ブレーキを掛け、車止めで動かないようにする。作業機等に応じ前後進どちらか適切な向きで進行してください。

2016年秋の全国農作業安全確認ポスター

乗用トラクターや歩行用トラクターなど農作業機械の特性を把握し、日頃から点検、危険を予測して身の回りの作業環境を確認してください。これらを実行することによって農作業中の重大な事故を減らすことが可能です。

農業イラスト2016年は「ノーミス、ノー事故、農作業」家族や仲間で声を掛け合って、農作業事故をなくしましょう。