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2016 新春号 Vol.94

税務・法律・人事・労務管理相談

マイナンバー制度が始まりました

1.通知カードが届いたら

年が明け、いよいよマイナンバー制度が始まりました。すでにお手元に通知カード及び個人番号カード交付申請書が届いていると思います。これらのカード等は、できれば鍵のかかる金庫に大事に保管して下さい。なお、顧問税理士や資産管理課、不動産の管理を委託している業者などから「個人番号」の提供依頼がありますので、適切に対応して下さい。

2.マイナンバー制度の誤解

一番多い誤解は、個人情報の管理方法です。日本のマイナンバー制度は、先行してこの制度を導入したアメリカや韓国などの、情報を「一元管理」する方法と違い、必要な情報を必要な時に照会、提供する「分散管理」する方法を採用しています。(図:出典・内閣官房)それゆえ、万が一「個人番号」が人に知られることとなったとしても、直ちに個人情報が野放図に流出する可能性はありません。

マイナンバー制度の誤解

3.マイナンバー制度によって出来ること

①所得把握の精度の向上
従来、住所・氏名により所得情報を収集していたため、転居、結婚等による変更を把握しきれず、正確な情報集約が困難な場合がありました。マイナンバー制度によって所得情報を効率的に把握出来ることから、所得の過少申告や不正還付等の抑止力が大きく向上します。また、生活保護の受給者の収入に関する情報の把握が容易になりますので、不正受給の抑制についてかなりの効果が期待されます。
②行政事務の効率化による国民の負担軽減
社会保障の給付を受ける場合、市役所・税務署・会社から住民票・所得証明書・納税証明書・源泉徴収票等を取得し、申請書に添付する必要がありました。マイナンバー制度によって、これらの書類が不要となり、添付書類の入手に係るコスト及び時間の削減となります。また、行政機関側での事務コスト及び事務時間の削減にもなります。
③国民の利便性の向上
平成29年1月以降「マイナ・ポータル」というインターネットサービスが開始される予定です。「マイナ・ポータル」では、自分の特定個人情報が、いつ、どの行政機関からどの行政機関に、何の目的で提供されたのか確認することが出来ます。
また、転居等の際に「マイナ・ポータル」から自治体に転入届等を提出すると、健康保険や年金等の複数の変更手続きが自動的に一括処理出来るなど、事務手続きが簡素化される予定です。確定申告の際には、自己の収入や社会保険料、医療費等の金額を確認することが出来るため添付書類を省略出来る等、利便性が向上します。

4.マイナンバーの利用範囲拡大

現行法令ではマイナンバーは「税・社会保障・災害対策」にその利用が限定されていますが、今後は、①預金口座へのマイナンバーの付番 ②医療分野における利用範囲の拡充 ③地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充(公営住宅・雇用・障害者福祉)等、マイナンバーによる情報連携により更なる効率化・利便性の向上のため、利用範囲の拡大が検討されています。