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2015 秋号 Vol.93

税務・法律・人事・労務管理相談

土地を貸した場合の貸主と借主の税務について

親が所有する土地を子や孫に貸し付け、子や孫がこの土地に居住用家屋を建築し、権利金を授受せず、地代を無料または固定資産税相当額以下としているケースが多くみられます。この場合税務上の問題は生じませんが、権利金の授受がある場合や地代の額が固定資産税相当額を超える場合または借主が法人(同族会社)である場合には税務上の扱いが異なります。 また、土地の所有者が法人である場合も税務上の扱いは異なり、大変複雑になっております。
土地の貸付態様には、使用貸借と賃貸借があります。建物を建築する目的で土地を貸し付け、権利金を授受せず、地代を無料または固定資産税相当額以下とした場合は、借地借家法が適用されず土地を借り受ける権利が保護されません。これを使用貸借といいます。
一方、建物を建築する目的で土地を貸し付け、権利金を授受したり、固定資産税相当額を超える地代を授受すると、借地借家法が適用され、土地を借り受ける権利が保護されることになります。これを賃貸借といいます。
ここでは土地の所有者が個人のケースについての所得税法と相続税法上の取扱いを整理してみましょう。

(1)個人所有の土地を個人に貸し付ける場合の扱い

土地を所有する個人が、子、孫、兄弟等にその土地を建物の建築を目的として、権利金を授受せずに貸し付け、借主がその土地に建物を建築する場合

①使用貸借での貸付
貸主:
貸付開始時、貸付中いずれも所得税は課税されません。また、相続税の土地評価においては、土地を貸し付けたことによる減額はありません(自用地評価)。
借主:
貸主と同様、所得税は課税されません。
②賃貸借での貸付
貸主:
貸付開始時に所得税は課税されませんが、貸付中は地代に対し不動産所得として所得税が課税されます。また、相続税の土地評価においては、原則60%前後評価額が減額されます。なお、「相当の地代」(地代年額を貸付土地の時価等の6%程度とする)の授受がある場合は、その土地の評価額が20%減額されます。
借主:
貸付開始時に借地権相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。

(2)個人所有の土地を法人(同族会社)に貸し付ける場合の扱い

土地を所有する個人が会社を設立し、この会社に個人所有の土地を、権利金を授受せずに貸し付け、会社が建物を建築する場合
土地を法人に貸し付ける場合に限り「土地の無償返還届出書」という書類があり、この書類を税務署に提出しているか否かで取扱いが大きく異なります。

①使用貸借での貸付
貸主:
貸付開始時、貸付中いずれも所得税は課税されません。また、相続税の土地評価においては、「土地の無償返還届出書」を提出している場合には、土地を貸し付けたことによる減額はありません(自用地評価)。なお、「土地の無償返還届出書」の提出がない場合は、60%前後評価額が減額されます。
借主:
「土地の無償返還届出書」の提出がない場合は、貸付開始時に借地権相当額の利益を受けたものとして、法人税が課税されます。
②賃貸借での貸付
貸主:
貸付開始時に所得税は課税されませんが、貸付中は地代に対して不動産所得として所得税が課税されます。また、相続税の土地評価においては、原則60%前後評価額が減額されます。なお、「相当の地代」の授受がある場合または「土地の無償返還届出書」を提出している場合には、相続税の土地評価においては、その土地の評価額が20%減額されます。
借主:
「相当の地代」の授受がある場合または「土地の無償返還届出書」を提出している場合を除き、貸付開始時に借地権相当額の利益を受けたものとして、法人税が課税されます。
平成27年度 上半期理事会の開催状況
開催日 協議内容
第1回
4月30日(木)
全国保証(株)保証による住宅ローン「住まいるいちばん」融資要項変更、出資証券の交付廃止(ペーパレス化)、規約の一部変更、信用事業規程の一部変更、文書規程の一部変更、職制規程の一部変更、減損会計処理の承認、平成26年度資産自己査定結果に基づく貸倒引当金要繰入額、繰延税金資産回収可能性の承認、平成26年度決算承認、目的積立金の創設、平成26年度剰余金処分、第23回通常総代会提出議案、第23回通常総代会における表彰者、資産査定管理態勢強化に向けた業務契約締結、平成27年度役員報酬、平成27年度職員給与予算、出資口数の減少の承認
第1回臨時
5月25日(月)
平成27年度事業管理費計画、平成27年度総合財務・総合損益計画、第23回通常総代会資料、TPP交渉での国会決議遵守並びにJA自己改革に関する特別決議(案)、第23回通常総代会開催通知、平成27年度余裕金運用計画、平成27年度信用の供与等の限度額、平成27年度夏季臨時給与支給
第2回
5月28日(木)
東京都常例検査 検査結果の通知事項に対する改善報告書、平成26年度決算関係書類の承認、金融商品取引法の改正に伴う内部者取引管理規則の制定、平成27年度サマーキャンペーン定期貯金の実施、収穫体験付定期積金企画、平成27年度年金友の会日帰り旅行企画
第3回
6月26日(金)
平成26年度業務報告書の提出、理事への新規貸出、平成27年度理事報酬、平成27年度年金友の会補助金の交付
第4回
7月27日(月)
JAバンク東京信連に対する増口出資(後配出資金)、平成26年度ディスクロージャー誌の作成、平成27年度謝恩観劇会実施、平成27年度上期不良債権流動化計画、JAバンク東京統一商品の取扱い、平成27年度海外募集旅行の企画
第5回
8月25日(火)
余裕金運用規程の一部変更、日帰り旅行招待定期積金、昭島支店経済店舗
第6回
9月25日(金)
農業生産資金(長期プライムレート基準)の実施及び農業生産資金融資要項の制定、冬期定期貯金キャンペーンの実施