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2020 夏号 Vol.112

営農豆知識

秋野菜の湿害対策について

8~9月は一年のうちで最も雨の多い時期です。台風、長雨、ゲリラ豪雨などで畑が浸水したり、作物が水をかぶったりすると、立枯れ病など土壌病害の発生、根部の酸欠や根腐れで、生育不良を起こしたり枯死してしまいます。以下の点に注意して、品質のよい野菜を作りましょう。

1 事前対策

  1. 畑の選定
    • 浸水や冠水を受けにくい畑を選ぶ。
    • 畑の周囲にミゾを掘ったりして、外部からの浸水や排水を図る。
    • トレンチャーやサブソイラーで深耕して、下層の硬い土をこわす。
  2. 品目と作型
    • 水害に強い品目や作型を選ぶ。
    • 品種や作付け時期を組み合わせて危険分散を図る。
  3. 栽培の改善
    • 高うねにする。
    • 有機質施用や適正な施肥を行い、健全な生育をさせる。

2 事後対策

  • 冠水や浸水等を受けた圃場は、速やかな排水に努める。
  • 土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努める。
  • 病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行う。
  • うね間に滞水してなかなか乾かない場合、マルチのうね内が過湿になるので、マルチを除いて土を乾かし、通気性をよくする。

3 野菜の耐湿性(湿害)

農作物気象災害対策指導指針(H6.3)に加筆

耐湿性 品目
強い セリ、ミツバ、ワサビ、レンコン、イチゴ、サトイモ、ヘチマ、ササゲ、オカボ、フダンソウ、ムギ
やや強い キュウリ、ナス、エンドウ、スイートコーン、ゴボウ、トウガラシ、エダマメ、シュンギク
弱い トマト、スイカ、カボチャ、ネギ、キャベツ、カリフラワー、ダイコン、ニンジン、タマネギ、カブ、ハクサイ、インゲン、アスパラガス、ピーマン、露地メロン、ソラマメ、シロウリ、サツマイモ、ジャガイモ、ラッカセイ、コマツナ
非常に弱い ホウレンソウ

刈払機による除草作業は周囲の安全と自身の防護もしっかりと

畑の雑草がぐんぐん伸びる季節になりました。エンジン式刈払機を使って除草する場合は、次の点に十分注意して安全な作業を心掛けましょう。また、日中の暑い時間は避け、休憩と水分をとりながら作業しましょう。

  1. 作業前に枝、空き缶、石などを取り除いておくとともに、飛散物で顔を傷つけないよう、保護帽、保護メガネ、顔面保護具などで防護する。
  2. 切断した草とともに、異物も足元に飛んでくるので、安全靴をはき、すね当てをする。
  3. 刈刃に亀裂が入っていないか、刈刃の脱落装置がゆるんでいないか点検する。
  4. 作業上じゃまになるといって、飛散防止カバーをはずす例があるが、絶対にはずさないこと。
  5. 肩掛けバンドは必ず装着する。肩掛けバンドやハンドルの位置を、使いやすいバランスに調整して使用する。
  6. エンジン始動時はスタンドを使い、刃を地面から浮かせる。また、機械の周囲は広くとり、人や動物は近づけないこと。
  1. 刈刃をヒザより高く持ち上げると、顔面に飛散物が衝突する可能性が高くなる。刈刃をヒザより下げて作業する。
  2. 飛散防止カバーや刈刃に絡みついた雑草等をとる時には、必ずエンジンを停止してから行う。
  3. 作業中は、作業者を中心に半径15m以内の危険ゾーンには、誰も入らせないこと。また、作業者に連絡するときは、遠くから合図しエンジンを止めてから近づく。