2019 春号 Vol.107
営農レポート
よい農場を目指して② ~ 農薬の薄め方 ~
よい農場を目指してカイゼンの一歩をすすめませんか。よい農場を目指す取組は決してむずかしいことではありません。今回は、農家こそ知っておきたい「農薬」の薄め方(使用上の注意点)を取り上げます。
Q「農薬」とは?
→ 主に殺虫剤、殺菌剤、除草剤など。
農薬は国が農作物に対する「効果」と「安全性(農作物、人や動物その他に対する安全性)」を確認し登録を行っています。
※農薬には必ず「農林水産省登録 第○○○○○号」の表示があります。
そのまま、または水で薄めて散布します。
☆農家自身が一番高濃度の農薬に接触するときはいつ・・?
→農薬を薄めるとき(計量・希釈するとき)です。
しっかりと身支度をして眼・鼻・口元を守りましょう。使い捨て手袋やゴム手袋、マスク、保護メガネで、液ハネやこぼれた場合に備えましょう。
●農薬の薄め方(農薬の希釈)
①まずは、農薬のパッケージにある「ラベル」の確認
- ・作物名OK?
- ・収穫前の日数はOK?・・・問題がないかまずチェック!
- ・倍率は何倍?対象病害虫は?
②水で薄めて散布液をつくる
★【殺虫剤・殺菌剤】・・・ラベルの希釈倍率(○○倍)をチェック
例えば、「希釈倍率1000倍」は、薬剤の量に比べ希釈に使う水の量を1000倍にするということです。
→1000倍の散布液を5L作りたい場合:薬剤5g(または5ml)の薬剤と水5L
★【除草剤】・・・ラベルの使用量(10a当たり○○ml)をチェック
除草剤の場合、10a(1000㎡)当たりの使用量と希釈倍率がラベルに記載されています。
まずは散布したい面積を確認します。
例えば、「10a当たり薬量が500ml、希釈水量が100L」と表示のある除草剤を「100㎡に散布」しようとする場合
→面積100㎡に必要な量:薬剤50mlと水10L
水の量 | 倍率 | 薬量 |
---|---|---|
1リットル (1000ml) |
400倍 | 2.5g、ml |
500倍 | 2g、ml | |
600倍 | 1.7g、ml | |
800倍 | 1.3g、ml | |
1000倍 | 1g、ml | |
1500倍 | 0.7g、ml | |
2000倍 | 0.5g、ml | |
水の量 | 倍率 | 薬量 |
4リットル (4000ml) |
400倍 | 10g、ml |
500倍 | 8g、ml | |
600倍 | 6.7g、ml | |
800倍 | 5g、ml | |
1000倍 | 4g、ml | |
1500倍 | 2.7g、ml | |
2000倍 | 2g、ml | |
水の量 | 倍率 | 薬量 |
10リットル (10000ml) |
400倍 | 25g、ml |
500倍 | 20g、ml | |
600倍 | 16.7g、ml | |
800倍 | 12.5g、ml | |
1000倍 | 10g、ml | |
1500倍 | 6.7g、ml | |
2000倍 | 5g、ml | |
水の量 | 倍率 | 薬量 |
18リットル (18000ml) |
400倍 | 45g、ml |
500倍 | 36g、ml | |
600倍 | 30g、ml | |
800倍 | 22.5g、ml | |
1000倍 | 18g、ml | |
1500倍 | 12g、ml | |
2000倍 | 9g、ml |
そろえよう
- はかり
- 計量スプーン
- スポイト
- 目盛りのある計量カップ
- など
注)-1
1リットルは1000mlまたは1000㏄です
注)-2
くすりの薄め方は
水の量ml÷倍率=薬量
です
例えば、水4リットルの場合
4000ml÷800倍=5なので薬量は5gまたは5mlです
★目に付くところに貼って計量ミスを防ぎましょう